捨てた・・・捨てた・・・

電車に乗ったら、座席にひ孫モスラ(要するに、巨大蛾)がいた。
おぉ〜〜〜!!携帯で写真撮りたい!
という衝動をおさえ、その横の横に腰を下ろしました。
「死んでるぜ、絶対。」
前の座席で、サラリーマン2人が蛾を凝視。
かわいそうだ・・こんなところで・・ごみにされるなんて・・・。
基本的に、虫には愛を持っているので*1ティッシュを出して、
蛾の下に、入れてみようと試みる。
「おぉ!!」
サラリーマンどよめく。小さい女の子が様子を見にやってくる。
「すっご〜〜い、蛾だ!!」
蛾、かすかに動く。羽の一部がやぶれ、触覚も片方折れている。
「生きてるし!!」と、サラリーマン。
仕方ない、羽をつかんでティッシュの上に乗せる。
「すっげぇ・・・」とサラリーマン。
「さわりた〜〜〜い!」と女の子。
女の子があんまりうろうろするから、
「さわっても、平気だと思うよ。」
と声をかけたら、人差し指ではねをぎゅ〜〜っと押した。
と、その時、蛾が感じたのか急発進!
「ぎゃぁ〜〜、俺、こういうのだめ、絶対だめ!!」パニックに陥るサラリーマン。
いや〜〜私の静かに救出作戦が!ばか〜〜どうするの〜〜〜!!!
平静さを装い、内心でパニくる私。
「平気だよ〜。怖くないよ〜。」と女の子。おまえのせいだっての!!
いや、触っても平気だよ〜っていった私のせいなのかっっっ!!
飛び回る蛾。社内は無言だが、激しくよけるその他大勢の客であふれる。
私は一駅しか乗らないが、もうすぐ降りるぞ!いかん!!
その時、蛾がとある座席に不時着。女の人、身をさっとひく。
ティッシュで確保しようとするも・・私の愛を無視して飛び去る蛾・・・。
「ぎゃぁ〜〜〜俺、絶対すぐ降りる!!」
サラリーマンのひとり、ダッシュでドアへ。その方向に蛾が飛んでいく。
私も、なんとか降りようとしてドアへ。そしたら、蛾がやってきた。
むんず!!!
左手で蛾をキャッチ。閉じかけていたドアから、車外へ脱出(車掌さん、ごめんなさい。)
そして、手を開くと蛾は、空へ舞い上がったのだった。
何事もなかったかのように、階段を下りる私に、先ほどのサラリーマンが
「すごいっすね・・・・。」
と声をかけてきた。むしろ・・・あきれ半分・・・か・・・。
「いえ、基本的にあぁいうのは怖くないんで。」
と、言葉少なに返答して、そそくさと駅をでた。


私のしたことは一応ほめられることだが、
・・・・・・・・・・・・・・・なにか、大切なものを・・・・失った気がする・・・。
と、遠い目をしながら家路を急いだのであった。

*1:カマキリと羽虫を除く