穴を掘って・・・土をかぶせた。

今日、バイトから帰ってきたら死んでいた。
2匹も。弟の生物部から預かっていた・・・アフリカツメガエル3匹中2匹。
昨日元気にレバーを食べて泳ぎ回っていたのに。
1匹、アルビノが浮いたまま近寄っても水にもぐらず反応のもしないのに気づいた。
ぎょっとした。
弟を呼んで、ざるですくってみたら・・既に死後硬直。
あのちょっとぷよっとやわらかい肉体は、ぴんと張り詰めたまま
移動用のミニ水槽に浮かんだ。
とりあえず、水を交換しなきゃ、病気だったら大変!とワタワタしてふと気づいた。
こんなにがさがさしているのに、水底でぴくりともしないって・・・変じゃないの?
「ねぇ、これも死んでるんじゃないの!」
私の問いかけは・・・残念ながら当たっていた。
彼も、ミニ水槽の中でおなかを見せたままぴくりともしなかった。
チビだけが生き残った。
とてもじゃないが・・・水槽も水も何もかも触れなかった。
生きている時は普通に、私がカエルを移動させてお風呂場で全部洗っていたというのに。
触れなかった。怖くて・・・。


頭の中では、何がいけなかったんだろう・・・そればかりが繰り返す。
去年は6匹近く預かって1匹も死ななかった。
元気に大きくなって高校へ帰っていった。
去年と同じように汲み置きの水を作り、2日に1回餌をやって4日に一度水槽を洗った。
弟が、長いピンセットを持って帰ってくるのを忘れて、
短いので手を水に突っ込んで与えていたから?
レバーが悪かった?
水槽外にアルビノは逃亡したから?じゃあ、もう1匹は?買い足した水草がだめだった?
なぜ1匹生き残ったのに?
他はだめだったのに・・・ねぇねぇ・・・原因はなんなの?


弟が全部水槽やその他もろもろを洗い終えて、そして二人でカエルを埋めに行った。
近くの林の木の根元に。穴を掘って水ごと流し込んだ。
泥水に体を入れたままぴくりともしなくて・・・一瞬それが見たくなくて一生懸命
土をかぶせてしまった。
見えなくなってほっとしたら、・・・土の隙間から前足が見えた。
それを使って、レバーを口に押し込む姿を思い出すと・・・ドキリとした。
一生懸命土をかぶせた。
そして・・・近くの石を目印に置き、1本だけ近くの花を添えた。
祈った。どうか安らかに眠ってください。
残ったチビが無事に高校に戻ったら、報告に来ます。


二人していっぱい蚊に刺された。弟はまぶたも。
かゆいよりも、なんだか本当に気落ちしてしまった。
原因不明。どうしたらいいかわからない。
朝は・・・・浮いていたりしなかったから・・・生きていたろう。
いつ死んでしまったんだろう。
私がバイトをしている間?帰りにポイント3倍だからってCDを買って、響鬼映画サントラ予約している間に?
それとも朝にはもう・・・?急いでいたからあまり水槽をみなかった。
私が・・・去年カエルが余りにかわいくて、今年も絶対に持って帰って来い!
と厳命したのが悪かったのだろうか。うちに来なければ死ななかったろうか。
考えは堂々巡り。
どうにもならない、答えは分からない。


気がつくと、水槽を振り返ってチビが泳いでいるか見てしまう。
彼を置いて・・・出かけなければいけない日は近い。
父親も日中は会社だ。その間に・・またもや・・ということがあったらどうしよう。
・・・・死んでしまわないだろうかと口出すのも今は・・怖い。