10 days after・・・

私は・・・君達と出会ってからもう5年がたちました。
とっくに私は君達よりも年上になりました。
それでも、君達は"あれから、10日後"の姿のまま不意にやってきて、
不意に私をあの体育館へと連れ去っていく。
あの瞬間へと、あの涙へと・・・あの雨の日へと。
そして、私は高校1年生へと戻る。
声をからして叫ぶ。
アイシテル!


SLAM DUNKは私が奥底まで入り込めた最後のコミックでした。
私は大好きで、大好きで心の中から大好きなものには、
自分が入り込めました。
そこに自分というキャラクターを置いて、そうやってみました。
ここで名乗っている蒼という名の女の子。
私はそこでは羽が生えていて、湘北で高く高く飛べる娘でした。
蒼がそこにひょっこりと、
そして完全に形を作ったのは・・・ミッチーが戻ってきてからでした。


それまでの蒼は・・・バスケを捨てた女の子でした。
桜木軍団と仲のいい・・喧嘩のめっぽう強い女の子でした。
ただ、バスケだけが嫌いでした。
彼女は中学時代・・いじめでバスケ部を追われた・・・。
そんな設定でした。
それから、いろんな風に蒼は変化し、今年1年でバスケはもう2度とできなくなる
羽はもがれてしまうと決まって・・・。
そしてラストまで歩き続けました。
・・・・・・・・・今はもういません。


龍騎も入り込めた。ライダーって慣れるからあそこは誰でも。
555もギリギリいけた。オルフェノクとして、人もオルフェノクも狩る。
理由はただ・・「私、あんたが嫌いなの。」で。
ブレイドは無理でした。
そして、今響鬼が楽しくて楽しくてしょうがないけど・・・私はここにいます。
"向こう側にはいけない"
いけるはずの川幅が広すぎる。
だから、岸に手がかかっても、離れていく。


バイト先の先輩にDVDをかりた。
『10 days after』スラムダンク1億冊突破記念のDVD。
何よりも・・イトオシカッタ。
黒板に井上先生の手で描かれていく。
その1枚1枚が。黒板ポストカードは手元にある。
今は・・もっとイトオシイ
その黒板の絵が、先生の手で消されていく時ズキン、となった。
あぁ・・・消さないで!!消さないで!消しちゃだめだ!
大学のビデオブースで声を殺す。
心臓がなる。
でも・・・・・・・・・・みんなはいってしまった。


よしもとばななの『ムーンライト・シャドウ』が好きでした。
私は今、そのラストの気持ちがわかる。
私はとまる事ができなかった。
あの頃のまま、辛い事も楽しい事もひっくるめていたかったけど
あの体育館に、あの時の私を置いてけぼりにして。
そこで私が、蒼が笑っていられるように。
私は祈ります。



いつでもマンガを開けば、私は高校1年生の桜木花道の横で笑って泣く。
リョータと、そしてゴリと並んでも彼らのそばにはたてなかった。
ただ、通り過ぎていった。
私は永遠の高校1年生。
サヨナラ、私。
あの頃の私。
今も、あそこで声をからして叫んでいて。
アイシテル、エイエンニ!