デスレムのたくらみ

私が卒論に書いた、「カリスマ(=大きな力)に流されていく大衆」が、まんまでていた今日のメビウス
ムナカタリーダーの怪演も光っていました・・。愛しのリーダー・・・。
それはともかくとして、イラクの人質事件を思い出しました。
生きていること、それをあれほど悪しざまにののしれる日本人の悪い面を発見した、あの時。
死んだたら同情するけど、生きて帰ってきたら、むしろ死んでればよかったのに・・という日本人=市民の姿。
また今日改めて、醜いなぁ・・と思い、第3者の目でいつも見ているつもりの私も、あそこにいるのか・・と思ったりした。


大衆の流れ。かなりざっくりと。

1、GUYS全滅への哀悼。悲しみと絶望
2、メビウスの事情はわからないまま、不甲斐ない戦いぶりに怒る。
3、GUYSが生きていることを知ると、一転「市民と仲間とどっちが大事なんだ!」とキレる。
4、マスコミや大衆は「生きて人質になる事態問題だ!」と詰め寄り、思わず怒った顔を見せる総監代行に対して
  「市民に反論するのか!」とすらいう。
5、GUYSの無線を通しての呼びかけを通じて、ころっと「俺達はGUYSに守られていた!」と応援しだす

はっきりいって、もう守らなくていいよ、メビウス・・こいつら全員死んでもいい!と思いました。
もちろん、そういう狙いで作っているのだけれど、これだけひどいとジャック兄さんの
「強さも弱さも知った上で愛する必要がある。」
見たいな言葉も、あんまり響かないです。もっと・・兄さんの過去も語られると思ったのに残念。
怪獣使いと少年」の精神的な続編だと信じていただけに、そこは残念でした。
もうちょっと具体的に踏み込んでくれたら、重みも違ったのに・・。
でもその代わりの・・ジョージの言葉なんだろうな。
「俺の夢は、お前になることだった。」
名言だ・・そしてそれに続く言葉も。


ふと、ガイアの最終3話を思い返した。勝手に人間がウルトラマンだから・・といって絶望し、絶望しながら番組を作り垂れ流していた・・そして我夢を追い回した、あの大衆とマスコミに対して私は怒っただろうか?と。
たぶん怒ってないと思う。
その理由は、ウルトラマンが人間なのか宇宙人なのか、ってことなのかなと思う。
私は今メビウスの側、つまり人間を第3者としてみているからすごく腹が立つのだ。
ガイアの時は、人間を同一のものとしてみているから、そうでもない。
マスコミはあんなふうに騒ぐし、そんな情報を見たいと私達は思っている。
それを見て肯定したり否定したりするのも、一種の娯楽なのかもしれないし。


では、GUYS CREWはジョージ以外、皆市民と呼ばれる人達の勝手な行動を見ていないから、あぁ言うメッセージが送れるのか?
私は・・送れると思う。リュウの心は、あれを聞いてもぶれないだろうと思う。サコミズ隊長の心も。
大切な仲間の顔を思い浮かべて、がんばるだろうから。
勝手なことを言うな!と怒りながらも、どっちも守ってみせる!とすら言い切るのではないかと思う。
(残念だな・・補佐官の対応・・ちょっと見てみたかった。怒りのあまり、マスコミに失言するのか、それともおべっかをつかったのか・・・。前者だと思うけど、信じてるよ、トリヤマ補佐官!)
ガイアの時、チーム・ファイターズは一応に怒りながらも、その怒りの対象はすぐに無力な自分達に向けられていた。
自分達の戦って守る!というプライドが、大衆のちんけな怒りを凌駕する。


はっきりいって・・大衆=市民は最初から守られてなんかいないんだ。
みんな、誰か大事な人のために戦っているのであって、赤の他人のことなんてどうでもいい。
ただ、大事な誰かが傷ついたり悲しんだりしないように、より多くの人を守っているだけなんだ。
ヒーローは、巨大な姿だろうと、等身大だろうと、別に大衆を守ろうとなんてとっくにしていないんだよ。
ってか、ずっと前からしてないんだろうなぁ・・・たぶんだけど。(昭和の作品は未見だから断定的にはいえない。)
最近、私はそう思っている。
ウルトラ兄弟たちは、人間の輝ける側面を見て命を託したり、その姿を借りた。(初代マンは・・まぁ別として。)
最初に見たのが人間の醜い姿で・・・人間に疑心暗鬼になりながらも、戦うウルトラマン・・そういう姿を見てみたい。


そういうわけで、全然まとまってないが、これをきちんと章だてて論文にしようと思っているのです。
こちらに投稿させていただく事になったのです。
卒論でもお世話になった、神谷さんがおつくりになる論文集に場所を提供していただきました。
詳細はこちら
卒論で燃えつきたんじゃないの?と母親につっこまれ、弟は僕はもう原稿もともとあるし、と涼しい顔。
受験生の弟の方が準備できてるって何よ!
そう、弟も投稿させていただくのです。
姉弟投稿!
・・・・弟の方が、かっちりした文章が上手です・・・。私の文才のなさが暴露される日まであとわずか・・。