小さき勇者たちーガメラー 〜ネタバレあり!〜

「作り手がガメラと子供が好きだ!」

ってかんじかな。
いい意味でも、悪い意味でも子供向け。
展開は読め放題であった。
ここで、こういって・・ここで音楽がかかって・・・
最後のセリフなんて・・定石でしょう。
とか思いつつ、これはある種のお約束をわかった上で
作っているに違いない!
だって、田崎さんだもん!と思う。



子供が好きだということ。もひしひしと。
買ったパンフからもひしひしと伝わってきたよ。
もう・・そういう少年時代すごしました!みたいな・・・。
怪獣図鑑好きでした!みたいな。
まぁ、でも当たり前だよね。
タイトルにも書いてあるもん。
「小さき勇者たち」が主人公なんだもの。
彼らがふと、気がついて走り出さねばガメラは勝てないのだ。
リレーしていく事に意味があるのだ。
というつくりになっている。

平成ガメラ3部作を作ってきた金子監督は・・・・。
怪獣が好きだとは思う。が、
「主義・主張のツールとしてガメラがいる」
って感じかな。
ったか、あのガメラは厳密に言えば生き物ではないから
たった一人の人間としかつながらない。
つながらなければ何も見えなくなってしまう・・・。
だから・・ゆえに・・・怖い。

今回は、あくまでも「トト=ガメラ」であることが前提。
ゆえに少年はガメラを追い、ガメラも立ち上がる。
ってか、それゆえ子供がガメラを守り、それに応える。

もう、これはあきらかに作り手の違いだよね。
私は・・どちらが好きかといえば・・・・
・・・・難しいところだ。
自分が、子供だったら、同世代だったら、田崎ガメラかな、
21にもなってみると・・・金子ガメラのほうがしっくりくる。
基本的に、怪獣は人間の側には立たない!
という方が好きである。
なので・・・「東京SOS」なんかのゴジラメカゴジラ
描き方は許容できない
ゴジラはこちらに意思を示しちゃいけないのだ。
示すべきではない。
その前でこちらが右往左往するところに、醍醐味がある。


じゃあ、モスラガメラはどうなのか?
というところだが・・・。
モスラは小美人、という人たちがいるので問題ない。意思疎通できる怪獣として生まれた。
正直・・昭和のガメラは1作品しか見たことがない。
でも・・子供が一方的に「ガメラ!」って信じていた記憶しかない。
ガメラは子供の味方。大前提でゆるがない。


なもんで・・今回、なんの理由もなく人のために戦い、自爆するガメラ(先代?)には
大きな違和感がある。
そこまで彼がしなくてはいけない理由はなんだ?
人間を守って当たり前の前提が気持ち悪い。
それで、たぶん泣けなかったのかなぁ。


「生きるための石だ!」
はトトだけでなく、こちらにも伝わってくるためのセリフなのかな・・・。
華と散るのが美しい!と描かなかったことが、とてもうれしい。
でも、怪獣に
「がんばれ!」
ではなく
「死ぬな!」
といったところに、大きな意味があるのかもしれない。
これは・・今後に影響ありそうですね。